『Inside Coca-Cola コカ・コーラ 叩き上げの復活経営』低迷していた2000年代のコカ・コーラを立て直した男の半生
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コカ・コーラ。コンビニやスーパーなどの小売店、自動販売機などいたる所で見かける、まさに資本主義の象徴。「コーラってどこでも売ってるよね」と思うけれど、あんまり会社のことは知らないや。そういう方は多いのではないでしょうか。私もそうです!
身近なものの正体を知るのは楽しい。
そういうわけで、『Inside Coca-Cola コカ・コーラ 叩き上げの復活経営』を読みました。
photo by The Rocketeer
『Inside Coca-Cola コカ・コーラ 叩き上げの復活経営』は、ザ・コカ・コーラカンパニー前CEO ネビル・イズデル氏による、自身のキャリアを振り返って書かれた書籍です。おエライさんの「俺こんな事やってきたよ!凄いでしょ!ドヤ!!」な本かと思いきや(そういう部分もあるけど)、工場で働く青年の出世物語としても楽しく読めました。
キャリアの始まりは、アフリカ・ザンビアのコカ・コーラボトラー。ボトラーというのは、コカ・コーラから仕入れた原液を水で割って容器に詰めて売る会社のことです。
イズデル氏は父親の仕事の関係でイギリスからアフリカに引越して、そのままこちらの大学に入り、就職をしたというわけですね。
優秀な働きぶりに「このままここにいてはいけない」と言われ、24歳でコカ・コーラ本社に転職することに。その後はまさに「世界をまたに掛けたビジネスマン」に変身。アフリカ、オーストラリア、フィリピン、西ドイツ…と、多くの国でキャリアを積むことになります。最後には「ちょっと会社の経営をやってみたい」って言って会社を作ってもらって、カリブへと隠居をキメます。なんなんだこの人は。すごいな。
国が違えば、売り方も変わる
例えば、あのアパルトヘイトが残る時代のヨハネスブルグ 。個人宅を酒場にした「シビーン」と呼ばれるもぐりのバーが溢れていて、そこで一番人気の飲み物はウイスキーのコーク割りだったとか。
それから、共産圏(いわゆる東側)にコークを卸すときには、代金は物々交換でもらってたというのは知らなかった。先に販路を拡大していたペプシはウオッカと交換してもらってたのに、コカ・コーラは車(すぐ壊れる)だったという恨み節も何だかおかしい。
SOSの声に応えて復活
一度はザ・コカ・コーラカンパニーから離れて、カリブで穏やかな日々を過ごしていたイズデル氏。カリスマ経営者だったロベルト・ゴイズエタ没後、低迷していたコカ・コーラを立て直して!と呼び戻されます。
個人的な感想としては、その後の話はイマイチ。社内政治の話より、世界を飛びまわってるビジネスマンの話の方が面白いに決まってるもんね!
心に残った言葉
戦争や革命、自然災害や人災はいたるところで起きている。たいていの場合、コカ・コーラは撤退するとしても最後に撤退し、最初に戻ってくる企業だ。