『台湾レトロ建築案内』"老屋顔"による、台湾の古くて美しいデザインに出会える一冊
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古い建物巡りが好きだ。
建物全体から漂う渋さがいい。細やかな装飾やタイルを眺めるのも大好きだ。
特に建築について学んだわけではないけれど、古い建物を眺めては写真を撮ったりする生活をしているので、この本を読まずにはいられなかった。
『台湾レトロ建築案内』。
台湾各地に残る、日本統治時代に作られた建物写真を集めた建築ガイド本です。
「雑貨的なかわいい建築」
「ノスタルジー気分を胸いっぱい吸い込みたい」
そんな風景を探している人には、うってつけの書籍でしょう。
『台湾レトロ建築案内』の内容
著者は辛永勝さんと楊朝景さん。Facebookでレトロ建築のファンクラブ 「老屋顔」を運営しています。
「老屋顔」というのは二人による造語で、「レトロ建築の持つ顔」というようなニュアンスだそうです。
もともとコンピュータのエンジニア、内装設計の仕事をしていた二人がレトロ建築に目覚め、いまでは老屋顔の取材・記事執筆がメインの仕事に。
彼らが台湾各地を取材した中で出会った、鉄窓花、人造石、赤レンガ、装飾ブロック、セラミックタイルとそれらを利用した建築物の魅力を圧倒的な量の写真と文章で紹介する一冊です。
窓の外に設置する鉄格子を「鉄窓花」と表現していますが、写真を見れば「あぁなるほど、窓に咲く鉄の花だ!」と納得。
ページをめくれば台湾に行きたくなり、日本でも味のある建築物を探したくなるという意味では間違いなく名著です。
『台湾レトロ建築案内』の目次
『台湾レトロ建築案内』の目次はこちらです。もちろん全ページフルカラー!
具体的な建物名や住所などの情報も載っているので、台湾でレトロ建築巡りをしたい人には強力なガイドとなるでしょう。
台湾でレトロ建築の見つけるコツ
2018年3月17日に台湾文化センターにて開催された、台湾カルチャーミーティング2018第1回「台湾の民家で見つけたレトロデザイン--おしゃれ懐かしい建築ガイド」。老屋顔の二人が長年集めた写真と共に台湾レトロ建築の鑑賞ポイントを教えるというものだったのですが、印象的だったのが「住んでる人すら自宅に"こんなにすてきなものがあったとは気がつかなかった"」と言うことがあるという話。
嫁入りしてきたお婆ちゃんが"鉄窓花"を何十年も意識していなかったとか。
人造大理石で作られた鮮やかな絵が、お店の売り物ですっかり隠されていたとか。
普段は気にも止めないようなところを注意深く見てみると、美しいデザインに出会えるかもしれませんね。
台湾でこうしたレトロ建築に出会うコツは、「たくさん歩く」。
とくに、観光地から少し離れた普通の街並みを歩くこと。
老屋顔の二人もたくさん歩いて、たくさん迷子になりながらこうしたすてきな建築物に出会ってきたそうです。
台南でおすすめなのが、開山路と民建路の二つの通りだそう。『台湾レトロ建築案内』を読んで、台湾の古いデザインに虜になってしまった人にはぜひ行ってもらいたいと思います。
私も次の台湾旅行で探してみようかな。