古民家でアートを見ると楽しい❨群馬県高崎市 旧井上房一郎宅❩
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古い建物がなんとも好きでたまらない。古い建築物にはロマンが詰まっていると思うのだ。
高崎駅から徒歩10分ほどの場所にある「高崎市美術館」には、1950年代に建てられた邸宅がまるごと併設されている。
ふと訪れてみたら、その古民家の中で現代美術作家の作品が展示されているというではないか。
さっそく訪れてみたら会場内をなんどもぐるぐる歩き回ってしまうぐらい心をつかまれまくったので、その気持ちをお伝えしたいと思います。
目次
「旧井上房一郎宅」
高崎市美術館に併設しているのは、「旧井上房一郎宅」と呼ばれる建物。
高崎の自邸を火事で焼失してしまった井上氏は、麻布の笄町(こうがいちょう)に建てられた建築家アントニン・レーモンド氏の自邸兼事務所をそのまま高崎に再現してしまったのです。
オッケーを出したレーモンド氏もふとっぱら。
高崎市の実業家である井上房一郎氏は音楽と絵画、哲学を愛し、高崎市の芸術の発展に貢献した人物です。田中角栄が政界入りする前に働いていた「井上工業」の社長の長男でもあります(のちに社長に就任する)
玄関からちらりと見えるみどりがいい。ぐっとくる。
玄関を反対側から。ちょいとお茶でも、のスペースがあるのがいいですね。竹林もさわやかだ。
謎のなつかしさを感じる廊下。「ほぅ…」といいながら何往復もしてしまいました。
丸柱を二つ割りの上り梁で挟んでいるのは、いわゆるレーモンドスタイルと呼ばれる建築様式なのだそう。
こういう家でのんびり過ごしてみたいものですね。お茶を飲みつつ読書とかいいじゃないですか。
横野建一展
旧井上房一郎邸で展示されているのは、現代美術作家の横野建一氏の作品。
横野建一氏は、石川県金沢市在住の現代美術作家。板を彫ったのちに彩色した「版木」を作品として発表しています。
公式サイト:http://insolite-s.com/yokono.html
この作風で発表するようになったのは、2003年から。やさしい形をしているのに、エッジの鋭いお菓子の「落雁の型」からヒントを得たそうです。
彼の作品はどれも真っ赤な色をしている。会場にあった「制作について」という文章を読んで、その謎が解けた。
なぜ赤色を使うのか。もっとも大きな理由は赤い色が美しいからです。それは朱肉の色を連想させること、そしてもう一つ、版木を彫るというマッチョな力は原色の赤に込められと思ったからです。
こうして遠目で見ている作品も。
近づいてみると、力強い彫りの跡を確認することができます。
ガラスの作品もひとつ展示されていました。力強い赤色と涼やかなガラスのとりあわせがすてきです。
ちなみに、作品は書籍の装丁に使われていたりもします。(『緑の毒』著者:桐野夏生)
高崎市美術館で開催中の展示
高崎市美術館に来たのは、こちらの展示「ポップアート イン アメリカ」目当てでした。有名な作品ってどうしても「あー、これ知ってる知ってる」と自分との答え合わせになりがちなのだけど、やっぱり大きいサイズで見るのって心への訴え方が違うよね。
高崎市美術館について