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天国から地獄へと一気に突き落とされる「校舎のうらには天使が埋められている(小山鹿梨子)」を読みました


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校舎のうらには天使が埋められている小山鹿梨子)を読みました。Kindle版は1巻が無料だったので、その勢いで6巻まで購入して読んでしまった…。学校内のいじめを扱った作品です。

胸クソ悪い(けど、一応救いはある)話が好きな人にはお勧め。ライフ(すえのぶけいこ)なんかがイケる人はたぶん大丈夫です。*1 

 お子さんがいる方は腹が立ってくるどころの騒ぎではないと思うので、ちょっと考えたほうがいい。あと、現在人間関係のアレコレで悩まれてる方は読むのを避けましょう。

 

舞台となるのは、ある小学校の4年2組。素直なよい子ばかりで統率が取れているように見えるけれど、それはあくまで表の顔。クラスは蜂屋あいという「女王蜂」による支配が行われ、過去に自殺者が出るほどの過酷ないじめが行われ続けているのです。

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このクラスには「わんこ」という身分が制定されています。

首輪をつけさせられた「わんこ」は、無理やり犬のえさを食べさせる、小動物殺しをけしかける、服を脱がして写真を撮られるなど「小学生でここまでやるの…!?」と思ってしまうような酷いいじめが続きます。

「わんこ」という存在は一部グループ内だけの話ではなく、クラス全員が知っています。積極的にいじめに参加する人、半強制的に加担する人。そして、係わり合いになりたくないと避ける人、と違いはありますが。

「わんこ」に指名されるのは「女王蜂」の気分しだいなので、いつ自分がターゲットになるか分かりません。支配階級である関大地や北別府京平、斎藤未咲、村橋ローリエのデビル四天王以外は「そっち側(わんこ)」に行きたくない、と追い詰められて過ごしています。閉塞的な環境もあいまって怖い、怖すぎる。

 

担任の女性は「わたしのクラスの児童は、みんな素敵な天使」という夢の世界に行っちゃってるので、お話になりません。

 

物語の始まりが「引っ込み思案の転校生が、文武両道な美少女と友情を育む心温まる話」風なので、あまりにも落差が酷い。ファンシーなタイトルと表紙にだまされた人も多数いるんでないかと。

 

ここまでなら気分が悪くなるだけで、本(またはタブレット)をぶん投げたくなるような話ですが。

 

あることをきっかけに、光本菜々芽という女の子が立ち上がります。いじめの中心である「女王蜂」とその部下である4年2組の面々と戦う、と教師・生徒の前で決意を表明したわけです。

まぁ、クラスメイトとしては面白くないですよね。したがって、文字通り何度も殺されかけるという強烈な歓迎をうけるわけで。それでも復活するという小学生離れしたタフさには、さすがに「マンガだから…」としか思えないけれどかなり心強い。

 

ちなみに、4年2組のいじめの話は5巻まででおしまい。6巻からは外伝の中学生編です。

4年2組編のラストは、一応救いがあったとはいえあんまりすっきりしない感じ。担任はアレでいいのか?とか、共犯者はどうなったの、とかとか…。

 

現実的な話をしてしまえば「学校や教育委員会に訴える」とか「学校以外にも居場所を作る」という案もあるんでしょうけれど、なかなか難しいんじゃないでしょうか。そもそも、「いじめられてる」と声を上げることが、清水の舞台から飛び降りるくらい勇気のいることだと思いますし。

おまけ

更田千尋の顔芸は癒し。

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デビル四天王で一番イラっとするのは、 クソメガネこと北別府ですかね。

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*1:ライフ、途中から顔芸漫画になってたけど…。