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魔物を捕まえて、食う!「ダンジョン飯(久井諒子)」感想


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ダンジョン飯(久井諒子)を読みました。おもしろかった!グルメ漫画は数あれど、剣と魔法な世界のダンジョンを舞台にしたものって今までにあったんだろうか?
ファンタジー世界を舞台にしたRPGでは、主人公である冒険者たちが街から街へと渡り歩くでしょ。子どもの頃にちょっと思ったのが「ゲームの中の冒険者たちはフィールドをちょろっと歩いただけで次の街へとたどり着いてしまうけど、実際はものすごーく時間がかかってるんだろうな」ということ。その長い旅の間、冒険者たちは何を食べてるんだろう。
 
その答えのうちのひとつかも?というのが、久井諒子先生の『ダンジョン飯』なんだと思います。現在『ハルタ』で連載中。先日単行本が発売されました。

ダンジョン飯の簡単なあらすじ

剣士のライオスたちのパーティーが大迷宮「黄金城」探索していたところ、妹のファリンがレッドドラゴンに食べられてしまった。さすがに消化されてしまったら復活の魔法は効かず、生き返らせることはできない。エルフの魔法使いマルシル、鍵師のチルチャックと共に、ファリンを救うためドラゴンの元へと向かうことにした。ただし、食糧はダンジョン内で自給自足とする…!つまり、魔物を食糧として食べるということ。実は、ライオスは機会があれば魔物を食べてみたいと思っていたのだ。
 
ライオスたちが不馴れながらも魔物を使った料理をしていると、一人のドワーフが近づいてきた。センシと名乗る彼は、10年以上も魔物食の研究をしているのだという。
ライオスたちの旅の目的を聞いたセンシは、自分も旅に同行したいと申し出る。なぜなら、レッドドラゴンを調理するのが長年の夢だから…!
 
さてさて。無事に仲間を助け、レッドドラゴンを食すことができるのか!?

ダンジョン飯のざっくりとした感想

私たちはご飯を食べたいなら、スーパーで材料となる野菜や肉を買ってきて自分の好きなように作ればいい。もちろん出来合いのお総菜を買ったり、外食するのもアリだ。でも冒険者たちの世界って、そこらじゅうにスーパーやコンビニ、レストランがあるわけじゃないよね。 お腹が空いたら、自分たちでどうにかしなきゃいけない。そのどうにか、という手段の一つが「ダンジョンに生きる魔物を捕まえて、食材とする」ということになるのだけど。いやー、魔物を食べるのってかなり抵抗あるよね。今まで食材として見ていなかったようなものを口に入れるのって、相当な覚悟がいるに違いない。
 
小説『クリムゾンの迷宮でも謎のダンジョン(という設定の場所)に連れてこられた主人公とヒロインが、その辺にいる虫や動物を食べる羽目になるというエピソードがありました。動物はまだいいとしても、さすがに虫については「うわぁ…」と顔が凍りつくような反応をヒロインは示していて。でも「空腹には勝てない!」と思いきって食べたら、どうやら美味しかったみたい。なんとおかわりまでしちゃうんだ。*1
 
ダンジョン飯』でもそれは同じで、見た目はグロくても食べたらおいしい!それはセンシの調理の腕もあるんだろうけどね。グルメマンガらしく調理手順も紹介されるのだけど、これがまったく参考にならない。だってこんな食材、わたしたちの世界じゃ手に入らないよ!
 
メニューも「人食い植物のタルト」、「マンドレイクバジリスクのオムレツ」、「マンドレイクかき揚げと大蝙蝠天」なんて具合だ。とはいえ料理の様子が妙にリアリティーがあって、コマを追っているとどんな料理ができあがってくるのかわくわくしてきちゃいます。さすがに読んでいてお腹が空いてきちゃうということはないけども!
 
ゲームをプレイするとき、「このモンスターはどんな味かなあ」なんて想像するようになってしまいそうです。 
ひきだしにテラリウム

ひきだしにテラリウム

 

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ゲームブック世界である『火星の迷宮』(という設定の場所)に送り込まれた主人公が、悪戦苦闘しながら元の世界に戻ろうと頑張る小説です。いちおう現代を舞台としているけれど、人工的に作られた食人鬼も出てきます。いろいろと怖い。でも、だいすき。

*1:空腹というスパイスもあったのだと思うけど