リストラにあっても再就職ができる人材になるためのヒント『今日からあなたには仕事はありません』
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『今日からあなたには仕事はありません』(豊田 大史)を読みました。
ドキっとするこのタイトルの本を読み終えて思ったのが、「もっと早くこの本に出会いたかった」ということ。20代のうちに読んでいれば、何かが変わったかも、なんて思ってしまったりもするのだけど、それは夢を見すぎかな。だけど、いま読むことができたのだから、それでも遅くはないはず。…と、前向きに考えてみたりして。
『今日からあなたには仕事はありません』のあらすじ
業績不振により投資ファンドに買収された東陽電子は、いままさに解体されようとしている。営業第二部に所属する長谷川紗希が選んだのは、グローバル企業へ再就職する道だった。3カ月ある試用期間のうちに「世界で通用する人材」にならなければ即クビ。彼女は最後まで生き残ることができるのか?(「今日からあなたには仕事はありません」|中経出版より)
この『今日からあなたには仕事はありません』は、グローバル企業への再就職をかけて等身大の女性が試行錯誤する小説です。新しい上司として登場した西岡部長が各章ごとに違ったお題を出し、それに対して紗希が悩みつつも取り組んで行く様子が描かれていきます。
全体としては「どこでも生き残れるビジネスパーソンになるためには?」というテーマでまとめられているので、ビジネス書でもあるともいえますね。
「グローバル競争社会で生き抜くための10の武器」とは?
『今日からあなたには仕事はありません』では、以下のように章立てられています。これら10個の項目が「グローバル競争社会で生き抜くための10の武器」となるのです。
- レジュメ
- 英語力
- 面接力
- 差別化
- 説明能力
- レポーティング
- チームワーク
- モチベーションコントロール
- 目標設定
- グローバルマインド
個人的に参考になると思ったのが「レジュメ」と「面接」、「差別化」の章。この考え方は転職活動のときに使えそう。書類作成や面接対策は、転職活動をするなら避けて通れない道ですもんね。
レジュメ
グローバル企業への再就職のためにレジュメの提出を求められた紗希。自分なりに作成した書類を出したものの、あっさりと再提出を求められてしまいます。そこで言われたのが、この言葉。
「私がレジュメに求めているのは、職歴を羅列した意志のない”自分辞典”ではありません」
今までにやってきたことをずらずら書いただけでは、そこから何も見えてこない。「やってきたことは分かった。それでこれからは何ができるの?」となってしまう。
受け手側に伝わるレジュメを作るのに必要な考え方とは。『今日からあなたには仕事はありません』で紹介しているのは、この3つです。
ストーリーのあるレジュメ
- 職歴をストーリー化すること
- レジュメが自己アピールの道具になっていること
- 職歴とスキルセットを簡潔にまとめること
かつて転職活動をしたとき、私の場合は1個目の仕事と2個目の仕事の業種も職種もぜんぜん違っていたので、そこをどう説明つけるか悩んだものでした。おまけに職場と客先の都合で予定外の仕事にぶっこまれたりしてたので*1、けっこうとっちらかった職歴なんですよね。でも、どんな仕事でも共通点はあるはず。そこをイイ感じにつなぎにして、ストーリーが揺れないようにできれば良いのかな。
趣味も自己アピールの一環と書いてあるけれど、「自分の趣味を伝えることで、自分自身のどの部分をアピールしたいのか」とか考えたことはなかったな。「(あるジャンルの)読書が趣味です」と伝えることで、自分の何がアピールできる?えーと…その方面に対する知識欲があるとか…?(適当)
面接
紗希が再提出したレジュメは、無事に及第点をゲット。次のステップである面接に進むわけですが、面接担当者からの「我々があなたを採用する理由とは?」という質問の答えに窮してしまいます。その答えの元となる考え方のヒントとして教えてもらったのが、以下の「3つのWHY」。
3つのWHY
- なぜこの業界か?
- なぜこの会社か?
- なぜ自分か?
これらはいずれも就職するにあたって考えなくてはいけない問題です。
その場で答えようとしても瞬時に答えが出てくるような質問ではありません。しっかりと自分と対話して答えを見つけておく必要があります。レジュメを作成する段階で自分の経験を振り返っておけば、何かしらのヒントがありそうです。
自分を「最高の商品」として売り込むのが面接の場。自分に対して自信があればどんな質問が来ても慌てることはないし、自分を売り込むチャンスになる。
そんな風に部長は言うけれど、どうしたら「最高の商品」なんて思えるようになるのか。自分の仕事の中で自信を持てる部分を見つけ出して、そこを強みにしていくのも一つの方法かな。
差別化
面接終了後、こんなメールが西岡部長から来ていた。
「会社の中で各自の差別化ポイントまたは付加価値について考えてもらう必要があります」
「差別化ってどうしたらいいんだろう」と考え込む紗希。休日の外出先で同僚と見つけた答えは、「凡人でも差別化できるiPhone型人材」。つまりはこういうことです。
凡人でも差別化できるiPhone型人材
企業が人を採用するには、「その人」ではないといけない理由があるわけです。
「自分は平凡だから…」と思っていても、スキルの組み合わせ次第では他にはない特別な存在になれる(かも)。
最後に
過去に職務経歴書を書いたときに思ったのが、「意外と大変だぞ、これ」ということ。昔やってた仕事内容を思い出すのに時間がかかってしまいまして。
たとえば、仕事でExcelマクロを使ったツールを作りまくってきたけれど、どんなものを作ったかパッと思い出せません。ここ数年でもそんな有様ですよ!メモ書き程度でいいから「仕事でどんなことをやってきたのか」「得られた経験」「苦労したこと」などを残しておいたほうが便利ですね。たとえ今すぐ転職しなくても、いつその日がやってくるか分からないし。