日々のこと

読書と文具たまに旅行。趣味と仕事の両立が永遠のテーマ

『マジ文章書けないんだけど』基礎から応用編まで。伝わる文章を書くための力を手に入れられる一冊


【スポンサーリンク】

「これは、わたしのための本だ」と思った。

職場の最寄り駅には、小さな書店が入っている。毎日使う湘南新宿ラインのホームから改札へ向かうと、ちょうどその書店の脇を通ることになる。

仕事帰りにホームへ行く道すがら、書店の方へ目をやると、通路側の棚に並べてあった本に目がいく。

マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~

『マジ文章書けないんだけど』って変なタイトルだなー、でも朝日新聞校閲の人が関わってるんだ。

パラパラとめくって「これだ!」と思った。すぐにレジで支払いを済ませ、帰りの電車の中で読み始めた。

結果として、すごくよかった。

隣チームのリーダーが書いたとんでもない文章を修正するという、色々と面倒くさい業務をしてる最中の私にはものすごく刺さった。

読点が、やたらと、振られている文とか。 主語と述語がねじれている文とか。 ていねいに書こうとしているのはいいが、遠回しすぎて何を言いたいのか分かりにくい文とか。一文の中にカッコ書きが多数派生していて、もうちょっと整頓してくれよ~とぼやきたくなる文とか!

年も職位も上だからつっこみにくいんだけど、正直なところ困っている。ガイドラインを作っているはずなのに、文章を読んでいて迷子になる。

そういう文章を目の前にして「何だか変」と言うのは簡単。でも、直すとなるとなかなか骨が折れる。「日本語、これであってたっけ」と首をかしげながら、エディタをいじっている。私もまた怪しげな日本語を生産しているのだろうか?

『マジ文章書けないんだけど』の登場人物は二人。就活でESが書けずに悩む大学生の浅嶋すずと、すずのバイト先の喫茶店に来ていた謎のおじさん。そんな二人の掛け合いで、文章講座が進んでいく。

すずの書いた文を一つ一つ分析していくと、分かりやすい文章というのは理屈があってできあがっているのだということが理解できる。

3rd STEP の「箇条書きで文を組み立てる」や、Final STEP 説得力のある文章を書くなら「とことんwhy を使え」というアドバイスは、文章の肉付けをしていく段階で覚えておくと役に立ちそうだ。

仕事をする上で、文章を書くということからは逃れられない。メール、日報、議事録、報告書。『マジ文章書けないんだけど』は、「もう一歩、伝わる文章が書きたい」と思っているすべての人に強く勧めたい。