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「西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん」は『乙嫁物語』ファン必見の展示です


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たばこと塩の博物館で開催中の「西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん」を観てきました。

この展示なんですけど、森薫先生の『乙嫁物語』ファンは絶対行ったほうがいい。必見です。絨毯がこれでもかと飾られてるからな!たぶん50枚くらいある。

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イランを中心にイラクアフガニスタンにかけての西アジア地域で暮らすバルーチ族・カシュガル族・クルド族などの様々な部族では、各部族を象徴する紋様を織り込んだ羊毛織のアイテムを製作してきました。

今回、「西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん」で展示されているアイテムはこちら。

  • 塩袋❨ナマクダン❩
  • テント袋❨トルバ❩
  • 鞍袋❨ホリジン❩
  • 絨毯
  • キリム*1
  • 食卓布❨ソフレ❩*2

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※チケット下部にあるのが塩袋です
。なぜこんな形なのか?ぜひ展示で確かめてください。

展示物の製作年代は、1900年頃~1960年頃。現在は定着化が進み、遊牧民の数は年々減少し続けているのだそう。

織物でまず目に入るのは、特徴的なモチーフ。これらは家族が幸せに暮らせるよう、祈りをこめて大切に織られているのですね。

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たとえば家畜を狙う狼からの防御を願った、狼のキバを模した紋様。豊穣祈願・生長・幸福などを願った生命の木や花々。砂漠で暮らす彼らの水の使者である、孔雀などの鳥たち。

乙嫁語り』の最新刊で、パリヤさんが婚約者のウマルくんにパンに込めた思いを説明してるシーンを思い出してしまいました。

織物の見所として、草木染めの深い色合いも忘れてはいけない。


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天然染色のため均一に染まるとは限らないこと、経年で色合いが変化することから、織物の色合いに揺らぎが発生しています。この色ムラは「アブラッシュ」おいって、大切な観賞ポイントになるのだそうです。

この展示のいいところは、ガラスケース無しということ。怒られない程度まで近づいて、じーーーっくりと観てください!コンパクトな展示なので、行ったり来たりしつつ観るのも楽しいです。

ちなみにミュージアムショップでは、手織りの絨毯が特別販売されてますよー。なかなかいいお値段ですが、見て手に取るだけならタダ…!

展示詳細

西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん」

西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん」では、『乙嫁語り』の世界をより立体的に感じることができました!今後、絨毯作りの話が出てきたら嬉しいな~。
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*1:羊の毛糸で織られた毛足のない平織物。敷物・間仕切り・覆い布として使われる。「キリム」はトルコ語、イランでは「ギリム・ゲリム」と呼ばれる

*2:パンを包む枡形のソフレは、乾きにくいよう綿製。テントに敷く縦型のソフレは、羊毛製