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明日は我が身。『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』感想


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『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』を読みました。これは、ヒトゴトじゃない。今は「ささやかな趣味を楽しみつつ、自分で自分を食べさせられる程度」の生活はしているけれど、貧困に悩む生活にいつ陥ってもおかしくない…そう思いました。

 

女性たちの貧困 “新たな連鎖

『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』の簡単な紹介

この『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』は、「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」の女性たちの貧困を取り上げた回を書籍化したもの。働く単身女性の3人に1人が、年収114万円未満なのだとか。

3つの仕事を掛け持ちして学費と生活費を稼ぐ通信制高校の女性。500万円の奨学金の返済に追われる四大卒・24歳アルバイト。結婚前は一部上場企業で働いていたが、夫からのDVを逃れるために離婚し現在は非正規雇用で働いているというシングルマザーも登場する。

この書籍に登場する女性たちはみんなその日その日を生き抜くことに疲れきっていて、「お金持ちにならなくていいから、本当にお金に困らない、ただ普通の生活ができればいいのにな」「30歳まで生きたら、それでいい」という切実な声が漏れてくる。

とあるネットカフェでは、座席の7割が長期滞在のお客さんで埋まっているのだそうです。住民票をおく事ができるので、そこから仕事に出かけてまた帰ってくる。

ネットカフェに住めるのならば家を借りたほうがよっぽど安いように思えるけれど、やっぱり初期費用や保証人などがネックとなるようで。「生活保護とかあるでしょ」と思うかもしれないけれど、貧困が続くとそうした公的サービスを調べたり頼ったりする気力も無くなっちゃうよね。そもそも、どこから手をつけていいのかも分からないかもしれない。生活保護だってすぐに受けられるわけでもないし。

「ネットカフェに住む家族」という衝撃

『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』で一番衝撃だったのは、ネットカフェに何年も住む家族がいるということ。

母親、19歳と14歳の娘がそれぞれ個室にわかれて住んでいて、母親は派遣の仕事をしている。長女はコンビニでバイトし、次女は殆ど学校に行っていない。最後に母親の手料理を食べたのは2~3年前。毎日カップラーメンや菓子パンを食べて、それでも満たされないときは無料のドリンクバーでジュースを飲んでしのいでいるという。健康保険証がないので、体調を崩しても病院に行けない。

ネットカフェ難民」というのは、義務教育を終えた程度の若者からそれ以降の年齢の単独の男女だと勝手に思い込んでいたので、まさかネットカフェに長い間住んでいる家族がいるとは思ってもいなかった。

『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』は、ヒトゴトじゃない

『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』を読んでいると、5年ほど前に会社を辞めたときのことを思い出す。過労とか色々あって「このままここにいたら精神が死ぬ…」と、次の仕事も決めずに辞めてしまった。*1

本当にラッキーだったのが、この仕事を辞めてすぐに派遣とはいえ仕事が見つかったこと。何とか自分を食べさせられて、ささやかながら趣味を楽しむ程度のおちんぎんと時間を手に入れられたのは運が良かったとしか思えない。ちょっとでも歯車がかみ合わなかったら、『女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃』に出てくるケースのような生活になっていたかも。そう考えると、本当にぞっとします。

とはいえ。もしも病気や怪我で働けなくなったら?今の仕事が無くなったら、次の仕事は見つかるのか?そう自分に問いかけると、心がずしりと重くなってくる。正直、10年後、20年後の生活に不安がないといったら嘘になる。いや、5年後ですら心配だよ!いったいどうなっちゃうんだろう…。

女性たちの貧困 “新たな連鎖”の衝撃 (幻冬舎単行本)

女性たちの貧困 “新たな連鎖”の衝撃 (幻冬舎単行本)

 

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虐待や育児放棄などで家庭から追い出され、貧困にあえぐ少年たちが食べるための手段として選んだのは…犯罪でした。

*1:この会社を辞めたら、あっという間に元気になりました。