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『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書(林 雄司)』感想


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内容はタイトルそのままに『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書』。著者は「デイリーポータルZ」ウェブマスターの林 雄司氏。 

『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書』には意識の高そうなことは、全くちっとも書いていない。「なるべく働きたくない」という気持ちを持っている著者が、いかに努力しないで仕事を済ますかというテクニックをまとめた本なんだもの。そういう意味では、ものすごく共感できる本でした。あと「早起きしたくない」という気持ちがべらぼうに伝わってきた。私もなるべく早起きしたくない。

『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書』で描かれているのは、「デイリーポータルZ」をどのようにして作ってきたかということ。と、いっても具体的なサイト運営の話ではない。サイトを運営していく上で、どのように周囲の人たちと接してきたかというテクニックが全4章でまとめられている。

[第1章]憂鬱なプレゼンを乗り切る
[第2章]最低限の努力で人を動かす
[第3章]アイデア・企画をひねり出す
[第4章]インターネット上の処世術

ブログやらTwiterで遊んでる私にひしひしとしみたのが、第4章の「インターネット上の処世術」。

ヒットを狙って、そんなに興味もないことを書いて外したときの恥ずかしさと言ったら、ない。だったら世間受けを気にせず書きたいことを書いていれば、反応が悪くても「まだ時代がおれに追いついてないな」と言える。

あのデイリーポータルZウェブマスターの言葉だと思うと重みが違う。貫禄がある。

TV番組を見ていると、ネットの流行に周回遅れでネット用語が世間で流行ってるとされることがある。それならば自分だけオモシロいと感じてしまったネタだって、数年後に爆発的に流行ってもおかしくない。べ、べつに強がりじゃないし!

間違って流行っちゃったら、「昔からやってた」と偉ぶることもできますね。先に発見した人の特権です。

SNSの普及で、いい記事は拡散する。逆に言えば外れた記事はまったく拡散しないのだ。だから外れても気にすることはない。

「つまんない記事だし、ツイッター拡散してやろう…プークスクス」なんてわざわざやる人はそれほどいない。手間ひまかけてそういうことやる人はたぶん変な人だから、ちょっと脇において置けばよろしい。外れた記事は誰の目にも触れずただネットの海を漂うのみ…。アクセス解析を見ると、全然アクセスされない記事もたくさんあるもんねー!そう考えると、ブログの編集画面に向かう気持ちが軽くなってくるものです。

さて。この本のタイトルが『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書』なだけあって、実際の仕事の場面でも参考になる考え方も登場します。

なにか失敗したときの言い訳は「コミュニケーション不足」がいちばん汎用性が高い。

とか

知人は、お詫びはプレイだと思って挑むと言っていた。なるほどプレイだと思うと俄然やる気が出てくる。

などなど。

これらの言葉は胸にストンと落ちてくる。正論とかきれいごとなんていうフィルタを取り除いてみると、仕事ってこういうものかもしれない。

他にも「かっこいいビジネス用語」リストや「もっともらしいビジネス枕詞」など、資料に使うとそれっぽく見えるお役立ちネタもあるので、普通の会社員の方々には結構役立つ本なんかじゃないかと思います。