『orange』5巻感想は「翔、良かったねー!」と思いつつも、須和くん不憫
【スポンサーリンク】
高野苺先生の『orange』5巻を読みました。無事完結、です。
全5巻ということもあって、それほどグダることなくまとまったと思います。ちょっと気になることはありつつも、きれいに着地できたのではないかと。
激しく心を揺さぶられるというよりもむしろ、穏やかな気持ちで「良かったなぁ…」としんみりしてしまいました。
orangeの簡単なあらすじ
主人公の高宮菜穂の元に、「10年後の自分」から届いた手紙。そこには未来の自分の後悔―同級生の自殺を止められなかったこと―が綴られていた。
いたずらかと思った手紙だが、書かれていた通り成瀬翔が東京から転校してくる。手紙には「奈穂が翔を好きになること」、そして「翔が17歳の冬に防げたはずの事故で亡くなること」が書かれていた…。
奈穂と友人たちは「翔がいない未来」を変えるため協力していく。
orange最終巻のキモとなるのは…
果たしてどうやって翔を救うのか。
自分のせいで母が自殺したのではないかと思い、不安定になっているような人はそう簡単に変えられないよね。しかも、自分も死んでしまいたいと思っているほどだというのに…。
未来からの手紙があるから、その通りに行動すれば良いというものでは無い。
「翔がいる未来」をどうしたら手に入れられるのか。
翔の心を動かしたのは、菜穂の行動。いつもであれば気後れして動けないような場面でも、「未来を変えるんだ」という意志を持って進んでいった。
死にたい気持ちはそう簡単に消せるものではないけれど、「生きていたい」と少しでも翔が思うことができたのは本当に良かった。
タイムカプセルのメッセージは、過去にとらわれてた翔が、未来を考えられるようになったということだよね。
ツッコミどころもある
結局のところ、手紙はどう届いたんだよ!とか。
中盤で友人たち全員(須和弘人・村坂あずさ・ 茅野貴子・ 萩田朔)にも手紙が届いてることに「えっ、なんだそりゃ」って思ったりとか。
全員に手紙が届いていることで、それに縛られてしまう不自由さも出てきてしまうよねー、というのが奈穂と須和とのことです。
須和くんが不憫すぎる
この話で思うのが、ホント須和が不憫すぎるということ。
未来では奈穂と結婚して子供もいるというのに、手紙に縛られた結果か菜穂にも告白せず、翔とのことを応援する側に回ります。
でもなー、それでいいのか?
翔を救うことと、諏訪と奈穂のことは一緒にするようなことでもないのでは…。いやしかし、奈穂の存在があったから翔は思いとどまったんだよなあ。いやいや、だからといって奈穂に告白しないというのも…。
ちょっとモヤモヤしてしまう終わり方でした。
12月には映画化も
2015年12月12日に東宝系にて公開予定です。主演は土屋太鳳さん。翔役は山崎賢人さんだそうです。
Orange Movie Studio – Movie Production
以上、「『orange』5巻感想は「翔、良かったねー!」と思いつつも、須和くん不憫」でした。