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『野武士のグルメ』感想 / 平日の昼からビールを飲むことほど楽しく、重い罪悪感を持つものはない


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平日休みに罪悪感とともに味わう昼ビールほどおいしいものはない。
 
窓からはのんびりとした日差しがさしこんでいて、遠くでから子供達の遊ぶ声が聞こえる。昼ドラなんかをながめながら、ゴクリゴクリと冷たいビールを喉に流し込む。
世間ではまだまだ仕事だというのに、自分はもう好き勝手やらせてもらっちゃいますよ!と、妙にウキウキしながら焼きそばをつついてみちゃったりして。
 
「野武士のグルメ」は定年退職したサラリーマン、いわば浪人であるオヤジ「香住武」が主人公の漫画。原作は久住昌之、作画は土山しげる
 
自由気ままに行きたいところへ行って、食べたいものを食べる。なんともうらやましい生活だ。

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 一人で外食をするマンガに、同じ原作者の「孤独のグルメ」がある。似たような話なのかと思いきや、受ける印象はまったく違ったものだった。それは、 アルコールが「解禁」されているというだけではない。

料理に対する枯れた感想が、なんとも穏やかな空気を作っているんだ。「脂っこくないのも内臓にやさしそうだ」なんて、焼肉をウオオンと食べるゴローちゃんは考えないでしょ。

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細かいところまで考え過ぎなのは、二人とも同じなのだけどね。
 
「野武士のグルメ」でやっぱり楽しいのは、失敗した話。
 
適当に入った中華屋で食べたぬるくてまずいラーメンの話なんて、おかしくて仕方なくなっちゃった。
大量のワカメに、冷たくて味がわからない味玉。八角っぽい香辛料がきついチャーシュー。持ちにくいプラ箸で、世の中のなにもかもが嫌になってくるような破壊力を持つラーメンを淡々と食べ続ける。苦行というのは、きっとこういうことをいうのだろうな。

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「かっこいいスキヤキ」ならぬ、「かっこ悪いスキヤキ」なんていう話もある。親戚のおなごにご馳走しようとスキヤキ屋に行くものの、仲居さんにペースを乱されて食べきれなかったと電車で一人反省会をする…。

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この脳内反省会では自分勝手なことを言い放題。仲居さんの具材の投入速度が消化速度を追い越していた。自分の相撲を取らせてもらえなかった。スキヤキは仕切られて食べるものじゃない!
 
確かに気持ちはわかる。
食事こそ、余計な口を挟まれずに自分の流儀でやりたいものナンバーワンだよね。
日々急かされるものもなく、自由気ままに時間が使えるとしたら。私も昼ビールに喉を鳴らし、焼きそばをつついてみたいものだなあ。もちろん、その後は昼寝だ!

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