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こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます(林公一)を読みました


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こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます “こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です 」を読みました。

 まさかとは思いますが、この「弟」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。

ネットでよく見る定型ネタとして、あまりにも有名すぎるこの文章。これは精神科の「林先生」のこころと脳の相談室内の「精神科Q&A」コーナーが出典元です。

 

この「こころと脳の相談室」に訪れるのは、実際に病気で悩んでいる人ばかりではありません。それは先ほどの文章が「定型ネタ化」していることからも明らかなように「面白半分」「なんとなく」でサイトを覗く人も数多く存在しています。

でも、林先生はそういった人たちのための読み物として、「精神科Q&A」が存在しているのだといいます。

 知らなければ、誤解する。誤解は誤解を生む。だからまず知ることが必要だ。だから興味本位は無関心に優る。

 そうして、サイトに寄せられた2,500件を超えるQ&Aから厳選した55件がまとめられ、電子書籍化されました。

 

 

うつ病アルコール依存症統合失調症などといった病気の深刻な相談だけではなく、恋の悩みや精神病のフリをして書いた相談も合わせて収録されているのは、「読み物」だからなのかな。

バッサリと切れ味の良いと言われる解答は、精神科Q&Aの方針が「事実を伝える」ということだから。

これは失恋です。失恋を医師に相談するのは間違っています。自分で解決してください。

確かに、と頷かずにはいられません。

 

電子書籍化にあたって、林先生の回答のあとに「あとからひとこと」というコメント欄がつけ加えられています。「ひとこと」どころか長文になっている場合が多いのですが、林先生の優しさが見えて素敵です。

 

 この本の中で某大手新聞社の掲示板(たぶん小町かな?)に関する質問が取り上げられています。

「やる気が出ない」「何をするのも億劫」というような投稿に対して、明らかに医療関係者ではない人が「あなたはうつ病だから、病院に行くかカウンセリングを受けるように」というレスを返すということが多数見られる。善意から回答しているようだけど、それはうつ病への偏見を助長しているのではないか…といったものです。

このことに対して、林先生はこう書いています。

善意は美しい。無知に基づく善意も美しい。だが美しいだけで空虚だ。空虚であるのみならず、有害にさえなり得る。当初はなり得るというレベルでも、膨れ上がれば必ず有害になる。

だからこそ、精神病について知ることが必要だとこの本で繰り返し述べているわけです。

 

うつ病について「怠けているだけ」「甘え・わがまま」という偏見を持つ人は少なくありません。そして、統合失調症に対する誤った認識は根深く、なかなか無くなりません。そして「 心の病を持つ人にどう接していいか…」という戸惑いもあります。

家族が精神的な病気となったとしても、偏見と抵抗から治療を受けさせず悪化させてしまうというケースもあるようです。

 

身近な人が精神的な病にならないとは限りません。もちろん、自分だって。

 

そうした時に病気に対する理解があるのと無いのとでは、その後の人生が大きく変わることだってありえるかもしれませんね。