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To Walk Invisible(トゥ・ウォーク・インビジブル)を観た


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暇な休日。Prime videoの「いつか見る」リストに入れておいた中から『トゥ・ウォーク・インビジブル』を観た。

女性が働くことがみっともないとされた時代、『嵐が丘』や『ジェーン・エア』、『ワイルドフェル屋敷の人々』などの小説を手掛けたブロンテ三姉妹の話。

トゥ・ウォーク・インビジブル (字幕版)

この『トゥ・ウォーク・インビジブル』はブロンテ姉妹が主役なんですけども、話の中心にいるのは彼女たちの弟、ブランウェル。

こやつがほんっとどうしようもなくクズofクズで。

家庭教師先の奥さまと寝たのがばれて仕事をクビになり。 実家に戻ってきたものの、何もかもうまくいかない。 そうして現実逃避のためか、父親から金をせびっては酒に費やす日々。

唯一の跡取り息子がこれだし、父親だっていつまでも生きているわけではない。 どうやって生活していけばいいのだろう?

生活の糧を得るために考えたのが、姉妹が元々趣味で書いていた詩を出版社に持ち込んで、出版してみてはどうだろうか……という計画。

その詩集をきっかけに生まれたのが、ヴィクトリア時代を代表する小説なのだから、弟がいなかったら生まれなかったかもね……的なことを考えると……まぁ……みたいな気持ちになって、上げた拳をそっと下ろすしかないですね。

弟も弟で自分が得られなかった文学の才能に恵まれた姉たちにコンプレックスを抱いていたようだし。一概に悪く言えない(かもしれないけれど、映画では本当にダメな所しかでてこない)。

この映画で一番印象的だったのは、イングランド・ヨークシャー地方のムーアの荒野に立つ三姉妹の姿。これから私たちは自分の力で生きていく、という決意のようなものが見えました。

物語がひたすら、淡々と、静かに描かれるので、観ているこっちが追い詰められるような気分になってくるんですよね。

途切れることのない荒野の風景は美しいのだけど、どこか息苦しさもあり。

人にお勧めする映画ってハッピーエンドだったり、爽快感が得られる話が多いかと思うのだけど、たまには内省的な気分になる話にどっぷり浸かってみるのもいいんじゃないでしょうか。

そうそう、ヴィクトリア時代の服装や建物の内装など、ぐっとくるポイントもありますよ!三姉妹も変に華美過ぎないのがいい……!