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やる気の出ない冬の日には、薄曇りエピソード満載の「負ける技術」を読もう


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寒い季節になると、気分が落ち込みやすくなる人が出てくるという。私がそれに当てはまるか否かはわからないけれど、体にだる~い感じがまとわりついているような気がする。要するに、やる気が出ない。

そんなときに読むのが「負ける技術」です。「ガツガツとした上昇志向は間に合っております」という私のような意識の低い人間にも優しいエッセイ本です。

負ける技術

負ける技術

 

いったいどんな本なのかというと、この一文に凝縮されていると思う。

絶望が一転希望に変わることはまれだが、希望が一瞬で絶望に変わることはままある。ならば最初から、「ちょっと絶望」ぐらいの位置にいたほうが気が楽ではないか。

作者は会社員兼漫画家のカレー沢薫先生。代表作はクレムリン、アンモラル・カスタマイズZなど。現在5本の連載を抱えており(私が数え間違ってなければ)、趣味の乙女ゲーをやる時間をどうやって捻出しているのか謎です。

この「負ける技術」で目を引くのが、かつてカレー沢先生が働いてたというブラック企業でのエピソード。

今よりまだ責任感があった20歳のころ、初めて入社した会社があまりに過酷で、心のバランスを崩してしまっていた。今ならコンビニのバイトぐらいカジュアルにバッくれるのだが、当時はそうもいかず、もう死ぬかと悩むぐらい思いつめていたのである。

かつて幹部たちが"I love positive thinking"なるラバーブレスレット(イカリング的なもの)を着用していた会社に勤めていたけれど、まるで水が合わず2年弱で逃げるようにして辞めた。そんな微妙な自分の過去の職場を思い出してしまいました。過度のポジティブシンキングがパワハラに昇華するすごい錬金術を見ることができたのはいい経験だったな。もう2度近づきたくないが。

ブラック企業で働く。なんと悲しみに満ちた文字列なんだろうか…。しかし「負ける技術」を読むと、それは人から見ればそれはエンタメなのだと実感させてくれる。

逆に不幸に向かっている人間は面白い。もちろん向かいたくて向かっているのではなく、押し流されちゃってる様がそれだけで面白い。やることなすことエンターテイメントであり、美しいとも言える。

とはいえ、人様を喜ばすために自分の人生をかけて笑いに走っているわけではないんですけどね。渦中にいるとまともな思考ができず、「Dead or Blue Sheets」などとあさっての方向に思い詰めてしまったりするわけです(それは私です)。

ちなみに「負ける技術」は全編ブラック企業ネタというわけではなく、「母親に性病と勘違いされた話」「一人でBBQ専用広場に突撃した話」など心温まるエピソードも用意されています。

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