9cmの小人たちの夜更けの楽しみは?『ハクメイとミコチ』4巻感想
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樫木祐人『ハクメイとミコチ』4巻を読みました。わずか9cmの小人たちが、森で暮らす日々を描いたほんわかファンタジー漫画です。現在、ハルタで連載中。
原点回帰
今回収録されているお話は一話完結がメイン。3巻のような長編も良いのですが、様々な世界に触れられるこちらの形式の方が個人的には好きです。
日常生活のなかで楽しみを見つけたような気持ちを凝縮した世界観がとても心地よい。
相変わらず出てくる食事がどれもおいしそうで、「たまには凝った料理を作ってみようかな?」なんてついつい思ってしまいます。
あのキャラクターが再登場
今回の見どころは、今までに登場したサブキャラ同士の絡みが見られるところだと思うのです。
研究者のセンの潜水実験に強力したのは、ハイクメイとミコチ、そして歌姫のコンジュ。
「言い方がキツイ」「うるさい」と険悪だったセンとコンジュに挟まれた2人は、ずっとハラハラしっぱなし。とあるアクシデントをきっかけとして、何だかんだで仲良しに…という終わり方はホンワカしていて良い。
続くエピソードは、美容師のジャダの家を鰯谷親方が修理するというお話。
独特のユル~い雰囲気を持ったジャダに、ペースを乱されてる鰯谷親方がなんだかおかしい。
個人的お気に入りエピソード
今回は夜を楽しむお話が詰まっていますが、その中でも単行本の最後に収録されている『夜越しの汽車』が一番のお気に入り。列車の旅のワクワク感がぎゅっと詰まっているんです。
ハクメイとミコチが乗ったのは、カノカン行きの夜汽車。2人のお目当ては、カノカン湖での釣り。
汽車に乗り込んだ2人は、さっそくお弁当を調達しに行き、列車の旅を満喫しながら目的地へと向かっていくのです。
電車の中で食べるお弁当っていうのは、不思議といつもよりおいしく感じられるよね。闇夜を走る電車の中で、というのが余計にテンションがあがってしまうのかもしれない。途中の停車場で目にする名産品も不思議な吸引力があって、ついつい買ってしまうのも分かる。
夜行列車の旅、いつかしてみたいなあ。計画を立てるところからすでに楽しそうだよね。
『ハクメイとミコチ』4巻の目次
- 水底のリズム
- 静寂と喧騒
- 潜水服とタンバリン
- ネジとベッド
- ジャムと祭り
- 一服のコーヒー
- 竹の湯
- 大根とパイプ
- 夜越しの汽車
そうそう「大根とパイプ」では、なんとミコチのお姉さんが登場します!集中すると自分の世界に入ってしまうのは似てる…かな?