10年同棲した初彼に34歳でフラれました 『同棲終了日記』を読んで胃が痛くなってきた
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いま同棲している人、それから同棲を考えている人は読んでおいたほうがいいかもしれない。
いつまでも続くように思える幸福な時間は、突然打ち切られる可能性があるのだということを心に刻んでおくためにも。
ずっと、このまま穏やかな毎日を積み重ねて
おじいちゃんおばあちゃんに
なるのだと思っていた
「気になる人が…できた…」
共に暮らして10年目の彼にフラれました
四コマ漫画家のおりはらさちこさんの『同棲終了日記』を読みました。おりはらさんが10年にわたって同棲した初彼氏との、出会いから別れまでを描いたコミックエッセイです。
軽い絵柄と相まってサラっと読める内容なのですが、内容は非常に重い。別れの様子が淡々と描かれているけれど、読んでいるこちら側にも10年分の重さがズシリとのしかかってきます。
『同棲終了日記』に収録されているのは、別れの様子だけではありません。過去にブログに掲載していたという二人の生活を描いた四コマは、ほんわかとしていて「二人暮らしって楽しいんだな」と心が温かくなります。この二人の結末を知っているだけに、切なさも同時に味わうことにもなってしまいますが。
「相方」が気になっている女性というのは、半年前に職場に入った14歳年下の後輩。彼女は当初から「相方」に気がある素振りを見せていたけれど、まったく相手にしていませんでした。でも、「3ヶ月前から気になりだした…。」と「相方」は言うのです。
この後輩というのがな!同棲している彼女がいるっていうのに、手作りチョコを贈ってくるような奴なんですよ!!作者もムキーってなりますが、読んでるこっちもイラっときますね。「宣戦布告か!?」と憤るおりはらさんに、「彼女はそんな人じゃない」と…。アッ、ハイそうですか…。
最悪なのが、家の更新の都合で退去までの一ヶ月は一緒に住まなくてはいけないということ。元彼と同じ布団で寝なくちゃいけないとか、なんていう罰ゲームだ。そんな中「元・相方」は、新しい彼女とメールや電話をしたり、いそいそとデートに出かけていきます。これには一ヶ月くらい新しい彼女と付き合うの待てよ。なんて無神経な男なんだ、とイライラが止まらない。
ンモー、さっさとウィークリーマンションにでも追い出しちゃえばいいのに!
実際にそうできるかというと、かなり思い切りが必要なのでしょう。情もあるだろうしさ。だけど新しい彼女ができたと浮かれている「元彼」と、一ヶ月も一緒に住むほうがもっとキツいよ!
作中ではおりはらさんが涙を見せる様子はあまり描かれていません。それでも「もうコイツなんていらない」と割り切れたわけではないのです。たくさん泣いたんだろうと思わずにはいられないような空気が、コマの間から伝わってきます。
どうせ私は一人でも大丈夫だと思ってるんだろう!?
確認して安心したいだけだろう!?
大丈夫なわけないんだよ!
「これから大丈夫?」と「元・相方」に尋ねられたときに返したこの言葉、読んでいて心が痛くなってくる。
これは女性側の視点で描かれた作品なのでどうしても元彼が悪く見えてしまうのだけど、もしかしたら彼にも何か言い分があるのかもしれない…。いやぁ、でもなぁ…。男女の立場が逆転していたとしても、このモヤモヤ感は同じことだと思います。傷心の人に気を使えないような恋人と別れられて良かったな!
おりはらさんが前向きに新生活を送っているというのが、『同棲終了日記』で唯一救いとなる部分でしょうか。一人でも打ち込める趣味や仕事を持っておくということが、なんて大切になることか。
ほんと、期間を定めない同棲は恐ろしいものですね。わずらわしいところを抜きでおいしいところだけ味わえるから、わざわざ結婚をする意味がわからなくなってしまうし。同棲を続けるならば、そういった意味での覚悟は必要なんだろうなと思いました。
おりはらさんの本来の絵柄はこんな感じなのか!かわいい。
今週のお題「卒業」ということで、「恋人・同棲から卒業する」コミックエッセイの紹介でした。