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時代を跨いで考察する謎解きが楽しい!「僕だけがいない街(三部けい)」感想


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僕だけがいない街」を読みました。ちょうどいまKADOKAWAのセールをやっているので、「このマンガがすごい!」などで話題になっていたことを思い出し購入。

僕だけがいない街」は、2012年7月号よりヤングエース角川書店)で連載している三部けい先生のクライム・サスペンスマンガです。ちなみに、三部けい先生は、ジョジョ荒木飛呂彦先生の元アシスタントだったのだとか。

僕だけがいない街」の簡単なあらすじ

主人公は、売れない青年漫画家の藤沼。彼には「再上映(リバイバル)」という特殊な症状を抱えていた。それは交通事故など悪いことが起きる数分前にタイムスリップし、違和感を察知して取り除くまで何度もその時を繰り返してしまうというもの。まるで「お前がやれ」と誰かに強制されるかのように、自分の意思とは関係なく発動する。違和感を取り除いたとしても、自分にとってはプラスマイナスゼロ。場合によってはマイナスとなるため、彼はこの状態を快く思っていません。

藤沼には記憶に蓋をし、思い出すことを禁じていた壮絶な過去があります。

小学5年生の時に同級生が誘拐され殺されていたこと。そして、その犯人として仲良くしていた大人の友人、「ユウキ」さんが捕まり、子供殺しの余罪が2件あったということで死刑判決を受けてしまったということ。

彼の母親が何者かに殺害されたことをきっかけに、リバイバルによって遥か昔に飛ばされてしまいます。それは、1988年2月15日。同級生の雛月加代が失踪する前の月です。

 僕だけのいない街の見所

個人的な話をします。藤沼の小学生時代の同級生であるところの雛月加代ちゃんが、めちゃめちゃかわいいのですよ…!1巻では誘拐され、殺されてしまった同級生として名前と顔が出る程度なのですが、2巻では誘拐・殺人事件を防ぐために動く小学生藤沼と親密な関係になります。と、いっても小学生なので一緒に登下校したり、バスに乗って科学センターに行く程度ですが。でも手をつないで歩いてたりするんだよな…!

最初は、藤沼と距離があった加代ちゃん。

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「バカなの?」は彼女の口癖なのだけど、藤沼と仲良くなった後の場面ではまた違った響きに聞こえますね!かわいい!!

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加代ちゃんは虐待をしてくる母親と二人暮らしで、クラスメイトからは「変わり者」扱いを受けています。そんな彼女が書いた「わたしだけがいない街」という作文を読むと、胸を締め付けられるような気持ちになりました。

今よりもっと大きくなってひとりでどこへでも行けるようになったら、遠い国に行ってみたい。遠い島に行ってみたい。誰もいない島に行ってみたい。つらいことも悲しいこともない島にいってみたい。島には大人もこどももクラスメートも先生もお母さんもいない。 

私は私だけがいない街のことを考えると気持ちが軽くなる。 

 なんて悲痛なSOSなのでしょうか。

リバイバル後の1988年では、藤沼を始めとした友人に恵まれます。彼女が「誰もいない遠い遠い場所に行きたい」と思わずに済む世界になってたとしたらいいなあ。

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僕だけがいない街」の謎解き要素

僕だけがいない街」のストーリーで気になるのは、「藤沼の母を殺したのは誰なのか」「小学生時代の誘拐・殺人事件の真の犯人は誰なのか」ということ。

小学生時代の事件の犯人として「ユウキ」さんが逮捕されてしまいましたが、藤沼はそれは冤罪だと考えています。リバイバルを繰り返す中で、彼は真実に近づいていくわけですが…。今のところはヒントがあるような、ないような?

「怪しいのは誰だ?」と考えながら読んでいくのも楽しいけど…分からん!

僕だけがいない街」の既刊

2014年10月現在、4巻まで出ています。4巻はちょうど雛月加代の話が一区切りつくあたりなので、一気に読むといいと思う!ちょっとずつ買おうかなと考えたのだけど、気になって4巻まで買ってしまいました。Kindleをはじめとした、電子書籍版もあります。

僕だけがいない街(Kindleストア) / 楽天ブックス

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