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日々のこと

特にありません

インドからポルトガルまでバイクで駆け抜ける!『珍夜特急(クロサワコウタロウ)』感想


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旅行が好きだ。それほどしょっちゅう出かけることはできないのだけど、それでもやっぱり好きだと言いたい。初めて足を踏み入れる街の空気を思いっきり吸って、見慣れぬ町並みを眺めるのが何よりも大好きなのです。

国内旅行もワクワクするけれど、私にとって海外旅行はやっぱり特別なものだ。空港へ向かう電車はいつも乗ってる路線と途中まで同じだというのに、乗った瞬間から日常とは違った風景に見えてくる。飛行機が飛び立って、体がふわりとする瞬間もいい。「これから旅に出るぞ!」と興奮した思いが体中いっぱいになります。

「旅行は計画を立てているときが一番楽しい」なんて言葉もあるけれど、目的地に降り立った瞬間の高揚感は何ものにも代えがたい。

http://www.flickr.com/photos/28145073@N08/5825413134

photo by Moyan_Brenn

最近『珍夜特急』という電子書籍を読んでいます。『珍夜特急』との出会いは、AmazonのKindleストアをブラブラと見ていたとき。沢木耕太郎氏の『深夜特急』をもじったタイトルに興味をひかれて、思わず詳細ページをクリックしてしまったのです。

インドのカルカッタからポルトガルのロカ岬まで、ユーラシア大陸を単独バイクで横断する――。19歳の”私”は、大学の学費を費やして行ったタイ旅行でどこからともなくそんな啓示を受ける。

いいじゃないか。著者名の「クロサワコウタロウ」というのもいい。本家本元の「深夜特急」の著者「沢木耕太郎」と名前の「コウタロウ」が一緒だ。これは偶然なのか、それともペンネームなのか…? 

『珍夜特急』を初めて読んだのが、先日の日曜日。喫茶店のお供として、とりあえず1巻だけダウンロードしてタブレットに入れておいた。

「ものは試し」と軽い気持ちで読み始めたはずが…面白い。単なるパロディ旅行記なのかと思いきや、読み応えのあるしっかりとした紀行本でした。ページをめくる手が止まらない。続きを読みたい気持ちに逆らえず、喫茶店の席から2巻、3巻と購入してしまいましたね…。

バイクでの旅は、一筋縄ではいかない。割とシャレにならないトラブルまみれの旅だというのに、淡々とした文章のせいなのか妙なおかしさがある。旅の途中からは個性的なドイツ人カップルのノッチとシルビアが同行者として登場し、今では旅行できなそうな火薬庫エリアを共に進んでいく。イスラム世界の率直な感想は、普段は縁遠くふわふわとした印象しかない国々の輪郭をはっきりとしたものにしてくれた。

ある私の見張り番の時などは、ノッチとシルビアの買い物を待つ間、30人ほどの住民たちに取り囲まれ、その野次馬の中に運転を放棄したトラックの運転手がいたために、大渋滞を巻き起こしてしまった。

小さな村を通過する際、野菜や石を投げつけられたのも一度や二度ではない。

私とシルビアは、この極めて好奇心が強く、同じ行動をとる現地人のことをマトンピープルと呼ぶことにした。理由は私たちを見つめる彼らの視線が、放牧されている羊の目そのものだったからに他ならない。

まー、旅はいいことだけでもないよねー。なんてやさぐれてしまいそうになるけれど、そんな話ばかりではない。「ここまでの道中いろんな奴らに似たようなことをしてもらってたから」と、とびきりのレートでイランレアルとパキストンRsを交換してくれた旅人。その日の宿にと自宅に招待してくれたイラン人のバイク乗りの青年や、13人家族で暮らすクルド人。などなど。旅人や現地の人たちとのふれあいのエピソードには、旅情を強く感じさせます。

オーストリアを単なる通過点扱いにして、ブダペストからドイツまで1日で駆け抜けてしてしまったのには笑った。トルコで別れたノッチとシルビアと再会したい!という思いからとはいえ、何キロ走ってるんだよ!

『深夜特急』を読んで「いつかこういう旅がしてみたい」と思って、何年も経ってしまいました。お金とか時間とか色々言い訳をしてしまうけれど、えいやっと長期的な旅をする度胸がないだけなのかもしれない。やっぱり、長期間仕事から離れるのって抵抗があるもの。帰ってきた後どうする?って考えてしまう。

でも、せめて。憧れの場所へは、体が動くうちに訪れてみたいものです。*1 

珍夜特急1―インド・パキスタン―

珍夜特急1―インド・パキスタン―

 

続編の「2nd Season」では、アラスカの最北端から南米の最南端までのおよそ5万キロをバイクでかっとばしています。

珍夜特急 2nd season 1―カナダ・アラスカ―

珍夜特急 2nd season 1―カナダ・アラスカ―

 

*1:アンコールワットではすっごく急な階段をはいつくばるようにして上ったので、20代のうちに行ってよかったと思いました…。