那須に10年間忘れられないお茶がある/「SHOZO黒磯本店」へいってきました
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黒磯駅。宇都宮線の北端であり、直流電化区間と交流電化区間の境目のため東北本線で更に北に向かう人は強制的に乗り換えさせられることでも知られている(?)駅でもある。
駅西口から歩くこと10分。いかにもな地方の町並みの中に、突然のおしゃれスポットが出現する。その中のひとつが「町のSHOZO」だ。*1
今から10年以上前の2001年ごろ、仕事の都合で栃木の北の果て(当時の私の感覚)に住むことになった。引越しが決まったときは「ここ(実家)より田舎に行くのか…」なんて風に愕然としたけれど、住めば都。
那須高原大橋からの素晴らしい景色にため息を漏らしたり、仕事をサボって塩那スカイラインで紅葉を眺めたり。「さっさと帰れ~」と上司に追い払われるようにして*2、定時の4時45分に職場を出てそのまま塩原の温泉に直行したり。なんだかんだで満喫してたなぁ。
そんな中で出会ったのがSHOZOという喫茶店だった。
当時から「知ってる人は知ってる」というお店で、ひっきりなしに人が訪れていたような記憶がある。
1階のスコーンやお茶の販売スペースから2階の喫茶スペースへと階段を登ると、静かな賑わいに包まれている。落ち着いた雰囲気はアンティークのインテリアと、独自のセレクトの古本によるものなのか。
仕事が終わったあと、月に1、2回ほど黒磯へ向けて車を走らせた。だんだん暗くなっていく街を見ながら、SHOZOの窓際の席でぼんやりとするのが好きだった。ケーキを頼むか、スコーンにするかはその時々で違ったけれど、何を飲むかはだいたい決まっている。それは「那須茶寮」という名前のお茶だった。
那須茶寮のベースとなるのは緑茶。茶葉には鮮やかな黄色やブルーの花びらが混ざっていた。コップに注ぐと、さわやかなベリーの香りがする。香りは甘めなのに味はすっきり。
一回飲んだらすっかり気に入ってしまって、こればっかり注文していた。持ち帰りで茶葉を買って帰ったこともある。「栃木の北のほう」に住んでた4年間で何杯飲んだことやら。
やがて引越しをすることとなり、SHOZOにも気軽に通うことができなくなった。そうしてうっかりしているうちに10年が経過したわけで…。
通販で那須茶寮を扱ってるお店はないかな、と探してみたけれど、残念ながら見つからなかった。あのお店を訪れた人だけのスペシャルなお茶と考えれば、そういうものかな…とも思う。
いま那須茶寮を飲んだらどう思うだろう。10年も経ってしまったから、「あれ、こんなものだっけ」と落胆するか「なにこれ神!!」と感激するか。
現在住む街から、黒磯駅まで電車で片道3時間。気軽に行くにはちょっと遠いな…とためらってしまうけれど、時間を作って訪れてみたいとは考えている。
SHOZOは喫茶店以外にも、いくつかのグループ店が存在している。アンティークのインテリアや雑貨、質のよい洋服を扱うお店も同じ通り沿いにあって、ブラブラ見て歩くのが楽しいんだ。
それにしても、いつの間にか黒磯市が西那須野町、塩原町と合併して那須塩原市になってたのには驚いた。そりゃ10年も経ってたらそのあたりも変わるよねぇ…。
今週のお題「飲み物」でした。
SHOZO公式サイト:1988 CAFE SHOZO
こちらの本にSHOZOのオーナー、菊池省三さんが紹介されています。
- 作者: D&DEPARTMENT PROJECT,ナガオカケンメイ
- 出版社/メーカー: ディアンドデパートメント株式会社
- 発売日: 2011/09/05
- メディア: ペーパーバック
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