41歳で脳梗塞発症!「なぜ俺が」 高次脳機能障害の当事者による闘病記
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突然、トイレの個室に老紳士が現れた!?
感情が爆発し、号泣が止まらない…。
いきなり脳梗塞に襲われたものの、一見「普通の身体」に戻ったように見える41歳男性の頭の中はどうなってしまったのか?
『脳が壊れた』の著者である鈴木大介氏は、裏社会や触法少年少女らの生きる現場を取材するルポライター。第14回新潮ドキュメント賞候補となった『貧困女子』やモーニングにて連載中の『ギャングース』の原案でも知られています。
『脳が壊れた』では、分かりやすく理解を深める「具体化と抽象化のプロ」として、高次脳障害の当事者としての自分をユーモアを交えながら描いていきます。
高次脳機能障害者の当事者認識にデジャヴを感じる
左側が見られない、メンチを切る、思いりに言葉が出ない、注意力がコントロールできない。
これらの奇妙な症状は、今まで取材で出会った貧困女性や少年たち、そして病的な手際の悪さと注意欠陥がある奥さんと同じではないか!
高次脳障害の当事者となって初めて、鈴木氏は彼らの行動や思考に対して、表面的に同情していただけだったのだと理解します。
自身がこうなってみて初めて実感したが、これは非常に辛い。自分が挙動不審に見えると分かっていてもその行動をやめられないというのは、本当に苦しくて、非常にフラストレーションのたまることだ。
ならば、ヒサ君もこんな苦しさを抱えていたんだろうか。時にはその空気の読めない態度にいらつきもしたが、彼もまた子どもの頃からこんな苦しさをずっと抱え続けて生きてきたのだろうか。
脳梗塞の原因は意外なところに
「なぜ俺が」
脳梗塞で倒れてから、鈴木氏が何度も繰り返したのがこの言葉。
退院後に自身の行動や考え方を振り返ってみると、脳梗塞の原因は自分の考え方や行動にあったことにきがつくのです。
なんやかんやと自分の定めたルールや、自分の定める家事のクオリティーに固執し、妻から家事を奪い、勝手にイライラして時間に追われていた自分が悪いのだ。
この一文には、思わずはっとさせられました。
自分の思った通りに物事が運ばなくて、勝手にイライラしてしまうことはないだろうか。家事に限らず、仕事先でもありがちなことだと思うんです。
勝手に「あの人にはできないから、私がやる」なんて思い込んだりせず、任せるべきところはじゃんじゃん任せちゃえばいいんです。任せたら、あとは口出ししない。
『脳が壊れた』は、病気の予防として食生活や運動だけではなく、考え方を変える必要があるということに気がつかせてくれた本でした。